【復活】佐原の大祭

　当犬舎のある香取市には、”北総の小江戸”と呼ばれる佐原がある。その佐原で3年ぶりに夏祭りが開催された。テレビの取材に少年のような笑顔で答える80歳代の先輩が映っていた。おそらく凍っていた体の中の”祭りの血”が流れ始めたのでしょう。私もこの地区の小学校に7年間勤務していたことがあり、祭りの始まる日（金曜日）の授業は本当にやりにくかった。9時過ぎになると校舎横の道に山車が入ってきてお囃子が聞こえてくると、子供たちのソワソワが始まる。稀に、廊下へ飛び出してしまって注意を受ける子もいた。低学年の担任は特に苦労していた。その時思ったのは「この子たちの体の中には”祭りの血”が流れている」ということだ。教える側にとっては、厄介な”祭りの血”だが、良いと感じさせらることも少なくなかった。それは、運動会や卒業生を送る会、合唱コンクールなど行事での盛り上がりやそれを支えるクラスの団結力、協力意識は大変強かった、ということである。周辺地域の小学校の勤務の方が長かったが、田舎の純朴さはあるが「恥ずかしがり屋で人前ではおとなしい」子供たちが多かった。(経験上、社会のルールや秩序を理解させるより、その中で、自主性や積極性を育てる方が難しい、と思っている。)

　祭りの役員をしている後輩が「コロナで祭りができないと街に元気が出ない。特に、子供たちが経験できないことは、仲間づくり、協同意識、祭りの継承も含めて心配だ。」と言っていた。それが、3年ぶりに開催できたことは良かった。しかし、今朝の新聞で香取市のコロナ感染者数は、前日の倍の70人に増えていた。「with Corona」新しい段階にきているのかもしれない。

　余談になりますが、佐原は祭りだけでなく、江戸、大正期の建築物も残る街並みや伊能忠敬の記念館、旧宅など見る所、レストラン、カフェなどグルメスポットも増えています。当犬舎見学の際には、立ち寄ってみてください。