【スロースリップ】地震誘発

　先月末から続いている千葉県東方沖地震は、やはり「スロースリップ」（プレート境界がゆっくり滑る現象）によるものだったということが調査から分かった。この現象が地震を誘発しているとのこと。房総沖のスロースリップは１９９６年５月～２０１８年６月に６回確認されている。ここまでは、結果分析からの見解なので事実。問題はこの後。気象庁は「この地域ではマグニチュード５前後の地震が時々発生し、活動が活発になることがある。今後の活動に注意が必要」としている。さて、このニュースで私たち千葉県民のうち何人が危機意識を持ったのか、甚だ不安になる。１年近く前の能登半島の群発地震の報道も同じようなものだったが、１年後の今回の地震災害。地震予知の困難さを表している。東京大学のロバート・ゲラー名誉教授は1991年「日本の地震予知計画は、成功の可能性はない」とネイチャーに発表し、厳しく批判している。その後も一貫して、地震予知研究や予知を前提にした政府の防災対策には批判的な立場を取っている。ゲラーさんは、地震予知の研究をまったく否定するわけではないが、そこにかける予算と労力をもっと基礎研究と防災対策にかけるべきだと主張している。（2023年度の地震予知に関する予算は300億円を超えている）そして、いまの科学では地震予知はできないということを認めて、地震のハザードマップで特定地域の危険性をことさらに煽るのではなく、日本全国に同じようにリスクがあることを伝えなければいけないと言っています。「南海トラフ巨大地震や首都直下型地震地震のリスクはないとは言いませんが、地震はどこでも起きる。そしてどこにに来るか分からない。『いつでも、どこでも、不意打ちで』。それが地震です」（ゲラーさん）。私たちはできる準備対策をしておくことしかないということですね。300億円で今回倒壊した家の耐震補強していたら何人の命を救えたのでしょうか？