【社会化期とお迎え時期】Vol.2

　感受期（6週齢～9週齢）の近くに、もう一つ大切な期間があります。これは「恐怖期」と言われ、生後8週齢～10週齢の間の1週間だと言われています。この時期に強烈に怖い経験を積むと、恐怖を感じた事柄に一種のトラウマをもち、その影響は一生続くと言われます。この期間、子犬には恐怖や苦痛を与えないように気を付ける必要があります。通常の刺激であれば心配いりませんが、階段から転落することや、他の犬に本気で襲われる、叩いたり蹴ったり痛みを感じるようなことは避けるべきです。もし、ここで失敗すると、恐怖や苦痛を感じた対象に強烈な嫌悪感を抱き、怖がる行動や攻撃性を見せることもあります。

　ここまで見てきたように、第一社会化期は子犬の体や心が急速に発達している時期です。家庭に引き取られる犬にとっては、生活環境の中にある刺激（騒音、他者など）に慣れる必要があります。もし慣れなければ、あらゆる事柄に恐怖を示すようになってしまいます。

ブリーダーや飼い主として、この時期をどうやって乗り越えるかが子犬の生活の最初の関門となります。

　子犬が親や兄弟から引き離される時期は”８週齢～9週齢”がもっとも新しい環境に馴染みやすいと言われています。動物愛護法で「引き渡しは56日を過ぎてから」と決めているのはこのことが根拠になっているようです。また、この時期までは、親と兄弟の中で揉まれながら、他者への愛着、自分が犬だということの自覚を身に付ける必要があります。

　第一恐怖期にあたる８週齢～10週齢の間の1週間は、新しい飼い主のもと、優しく触れられたり、話しかけられたりしながら、怖い思いをさせないようにします。子犬も活発に動くので十分な管理監督が必要ですが、構いすぎもよくありません。しっかりと安全を確保しながら様子を見ます。子犬が寂しがったら側で寄り添うなど安心させましょう。（家族で協力して休暇をとったという例もあります）

　次回は、第一社会化期のもっとも重要なイベント”外界デビュー”についてお話します。

　今日はこれから埼玉のメグちゃんベビーを見に行って、子返しの子を決めてきます。写真も撮ってきます。